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社会 : 茅野、佐久穂、小海の行政と山岳関係者 北八ケ岳ブランド発信

更新:2013-4-20 6:01

「北八ケ岳」と呼ばれる八ケ岳北側一帯の魅力を発信しようと、地元の茅野市、南佐久郡佐久穂町、小海町の行政、山岳関係者が、連携を強めている。国道299号メルヘン街道観光連携会議(仮称)を発足。5月下旬にはそれぞれの観光資源を視察し、相互理解を深める予定。広域連携で”北八ケ岳ブランド”を確立し、登山者だけでなく一般観光客の誘致にもつなげたい考えだ。

北八ケ岳は、鋭い峰が連なる南側とは異なり、蓼科山(標高2530メートル)に見られるなだらかな稜線と針葉樹の森が続く山容が特徴。大河原峠から麦草峠までの一帯は北八ケ岳自然休養林に指定されている。シラビソやコメツガの原生林はコケに覆われ、白駒池など大小さまざまな池が点在する。

観光資源は多い。山小屋をはじめ、横谷温泉や奥蓼科温泉、北八ケ岳ロープウエイ、御射鹿池(以上茅野市)、シラカバ林や八千穂高原(以上佐久穂町)、松原湖(小海町)などがある。一方、広域連携は4月に麦草峠で行う国道299号(通称メルヘン街道)の開通式やマップの製作にとどまっていた。

連携強化は、ここ数年で注目度を増す「コケ」がきっかけ。3市町の山小屋関係者らでつくる「北八ケ岳苔の会」が、コケを新たな観光資源にしようと活動してきたことで、互いの観光資源を改めて知ることになった。昨年4月の開通式以降、3市町の観光担当者を中心に数回打ち合わせ会を開き、広域連携の可能性を探ってきた。

連携会議は3市町と苔の会、地元観光協会、蓼科・八ケ岳国際自然学校、北八ケ岳ロープウエイ、仏料理店エスポワール、県などで組織。麦草峠の麦草ヒュッテで18日に開いた初会合には13人が出席し、他市町の観光パンフレットの配布と互いの観光スポットを見学することを確認した。観光パンフレットの製作も検討する。

出席者からは「他地域の観光資源を説明できない現状がある。観光案内ができるようになれば」「北八ケ岳の魅力は意外と知られていない。ブランドイメージを確立して知名度を上げたい」「神秘的な池や苔むした森は癒しの場になる。一般観光客にも売り出していけたら」といった意見が出された。